
歯周病(歯槽膿漏)
PERIO歯を失う原因で最も多いものは歯周病です。成人の80%以上が歯周病にかかっていると言われております。生活習慣病の1つでもある歯周病(歯槽膿漏)ですが、症状が進行すると完治が困難であり、全身に悪影響を引き起こす恐ろしい病気です。
このページでは、歯周病の原因や再生治療、自宅で出来るセルフチェックなどを掲載しております。歯周病の完治には早期発見・早期治療が大切です。
歯周病とは、全身に悪影響がある病気です
歯周病とは、歯と歯茎の間にある歯周ポケットにたまる歯周病菌が原因で引き起こされる炎症疾患です。症状の軽度な「歯肉炎」や重度な「歯槽膿漏(歯周炎)」などに分けられますが、これらを総称して「歯周病」と呼びます。

この歯周病を放置すると、お口の中にとどまらず、全身の病気につながります。
- 脳の病気
-
- 認知症やアルツハイマー病
- 脳梗塞のリスクが20%UP
- 内臓の病気
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- 肥満やメタボリックシンドローム
- 肺炎や気管支炎
- 心筋梗塞のリスクが20%UP
- 肝臓がんのリスクが40%UP
- 糖尿病
- 出産への悪影響
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- 子宮がん
- 早産や低体重出産の危険性が7.5倍
歯周病セルフチェック
歯周病の進行過程と治療方法
歯肉炎

歯周病の一歩手前です。主な症状として、
- 歯肉が赤く腫れる
- 歯肉の先が丸く膨れる
- 歯磨きで出血する
- 硬いものを噛むと出血する
などがありますが、自覚できるほどの症状が少ないため、そのまま歯周病へ進行してしまう方が多くいます。歯肉炎は、自覚症状が少なく歯周病へ進行してしまうことがあります。
歯肉炎の治療方法
- 歯周ポケットの深さ:2㎜~3㎜
- 通院回数の目安:1回~2回
- 治療期間の目安:2~3週間
歯肉炎であれば、毎日の丁寧なブラッシングで治ることがあります。しかし、歯石などが付着している場合は、歯石除去や歯のクリーニング(PMTC)を受けるようにしましょう。
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軽度歯周病

歯周ポケットの深さが3mmを超えると歯周病となります。主な症状として、
- 軽い出血
- 歯肉の軽度な腫れ
- 歯が浮く/うずく
などが表れますが、痛みを伴う症状はほとんどありません。歯周病菌は神経を麻痺させる毒を出すため、無自覚なまま悪化させてしまう方が多いです。
軽度歯周病の治療方法
- 歯周ポケットの深さ:3㎜~4㎜
- 通院回数の目安:2回~4回
- 治療期間の目安:2~3ヶ月
ブラッシング指導に加えて歯石除去(スケーリング)で治療をします。歯の表面だけでなく、歯周ポケット内の歯垢・歯石を除去する場合もあります。
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中度歯周病

中度の歯周病であっても、痛みがないことが多くあります。しかし、歯を支えている歯槽骨の半分ほどは溶けてしまっているでしょう。
- 歯茎が腫れる→治るを繰り返す
- 冷たいものがしみる
- 歯がぐらつく
- 口臭がでてくる
- 歯茎から膿がでる
などの症状が表れます。
中度歯周病の治療方法
- 歯周ポケットの深さ:4㎜~7㎜
- 通院回数の目安:5回~
- 治療期間の目安:3ヶ月~
中度歯周病は自宅でのケアだけでは完治できないでしょう。歯医者さんで、歯周ポケットにある歯石を除去する必要があります。場合によっては麻酔が必要となることもありますが、中度歯周病であれば、完治できる可能性が高いです。
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重度歯周病(歯槽膿漏)

歯槽骨は3分の2以上が溶けているでしょう。主な症状は、
- 歯がグラグラする
- ひどい口臭
- 硬いものが噛みにくい
- 歯磨きをすると血が出る
- 歯茎を押すと膿がでる
- 歯と歯の間が広がる(すきっ歯になる)
- 歯が長くなった・伸びたと感じる
などがありますが、やはり痛みを伴わないことが多くあります。しかし、重度歯周病を放置すると自然と歯が抜け落ちていくでしょう。
重度歯周病(歯槽膿漏)の治療方法
- 歯周ポケットの深さ:7㎜以上
- 通院回数の目安:7回~
- 治療期間の目安:5ヶ月~
歯石除去で改善が見られなければ、外科的な治療(フラップ手術)が必要となります。手術をしても改善が見られない場合は抜歯となります。
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歯周病治療の流れ

歯周病の治療には、患者さまの生活習慣の改善が必要不可欠です。このため検査が多くなる傾向にありますが、歯周病の改善傾向を知るためには重要な役割です。「歯周病を少しでも早く治したい」とお考えの方は、歯垢・歯石だけを溶かす歯周病新治療薬がおすすめです。
検査・カウンセリング
歯周病の治療を始める前に、歯周病であるかどうかや虫歯はないかなどのチェックをします。主な検査項目としては、
- 歯周ポケットの深さ
- 歯肉からの出血の有無
- 歯垢や歯石の付着量
- 歯のぐらつき度合い
- レントゲンによる歯槽骨の状態
となります。
ブラッシング指導(プラークコントロール)

歯周病は生活習慣病です。そのため、歯の磨き方をはじめ、患者様ご自身に生活習慣を見直していただくことが必要不可欠となります。
歯科医師または歯科衛生士が優しく丁寧にブラッシング指導をさせていただきます。
また、必要に応じて虫歯治療や噛み合わせなどの治療も行います。
歯の表面の歯石除去(スケーリング)

歯科衛生士が超音波スケーラーという専用の機械を使用して、歯の表面に付着した歯垢や歯石を取り除いていきます。治療時間は、1回当たり30分程度となります。
歯石除去を5回ほど繰り返して行うことで、歯周病菌を徹底的に除去します。
※当歯科医院では、治りが早く・腫れや痛みも少ない最新の歯周病治療薬のご用意もございます。(詳細はページ下部)
「スケーリング」で改善が見られた場合
歯の表面の歯石除去(スケーリング)及び患者様の丁寧な歯磨きによって改善が見られている場合、これ以降、定期的なメンテナンスに移ります。
歯周ポケットの歯石除去(ルートプレーニング)

中程度以上の歯周病には、このルートプレーニングが必要となります。
歯肉の内側、つまり歯周ポケットの奥に溜まっている歯石を除去します。歯周ポケット内の汚れを綺麗に掃除することで、歯と歯肉がくっつき、歯周ポケットが浅くなります。
ここまでの歯石除去(スケーリング・ルートプレーニング)とブラッシング指導(プラークコントロール)が、歯周病治療の基本的な治療の流れとなります。
「ルートプレーニング」で改善が見られた場合
定期的なメンテナンスへと移行します。
外科的な治療(フラップ手術)
歯周ポケットが7㎜以上の重度歯周病で、歯周病の基本治療では回復が見られなかった場合、外科的治療としてフラップ手術を行います。
歯茎を切開し歯槽骨に付着した汚れやダメージを受けた歯肉などを除去し、歯肉を元に戻します。
定期的なメンテナンス

歯周病は、ブラッシングが不十分であったり、メンテナンスを怠ることで再発します。特に歯並びが悪い方や喫煙者など、せっかく歯周病治っても再発しては意味がありません。3ヶ月~6ヶ月間隔で定期検診や歯のクリーニングを受診することをおすすめします。
歯周病治療Q&A
- 歯周病予防をしたいのですが…
- 歯周病の予防には、歯のクリーニング(PMTC)がおすすめです。痛みがほとんどなく、虫歯予防にも効果があります。是非一度お試しください。
- 「歯周病はうがいで治る」って本当?
- 歯周病の原因は、歯と歯茎の間にできる歯周ポケットに溜まった歯垢や歯石です。歯磨きでもなかなか取り切ることができない汚れをうがいだけで治すことは難しいでしょう。
- 歯周病治療に健康保険は適用できる?
- もちろん、保険適用内での歯周病治療が可能です。
- 歯周病の口臭ってどんなにおい?
- 歯周病の原因となる菌は、特有な臭いのあるガスを放出します。このガスは硫黄化合物ですので、「生ゴミ」のようなひどい腐敗臭が特徴です。
歯石取りや歯のクリーニングには口臭改善の効果もあります。お気軽にご相談ください。 - 口臭って歯周病が原因?
- 口臭の原因の90%以上は、歯周病や虫歯などお口の中に原因があります。口臭が気になり始めた方は、まずは近くの歯医者で歯のクリーニングを受けると良いでしょう。